Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
「この辺は一向変っていないね?」
と車屋に話しかけた。
「へい、変りません」
と車屋が答えた。
「市長は評判が好いかね?」
「へえ? 李家さんですか?」
「然うさ。李家君さ」
「好いのやら悪いのやら私共には市長さんの評判は分りませんわ」
「寄らないで行くと後で怒るかも知れないが、この通り同伴があるから仕方がない。それから警察署長は矢っ張り以前の男がやっているだろうね?」
「はい、やっておられます」
「あの男も年を取ったろうね?」
「はい、取りました」
至って無難な問答だ。年を取らない奴はありっこない。而も傍で聞いていると、団さんが以前この土地に住んでいたように受け取られる。その中に車屋は、
「御承知でございましょうが、此処が日清談判の春帆楼でございます」
と狭い道の左側を指さした。石段に門構えは宿屋兼料理屋に似つかぬ厳しさだ。
「成程、此処だったね。此処へは能く河豚を食べに来たものさ」
と団さんは昔懐しそうに言った。
「春帆楼だとさ、これが。講和談判を料理屋でやるところは所謂樽爼折衝で如何にも東洋風だね」
とお父さんは後方の俥の三輪さんに紹介した。
「河豚は何うしても下関さ。