Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
と団さんも神妙に読んでいる。
「父ミカエル黒助は好いね」
とお父さんは手帳に書き留め始めた。
「如何にも切支丹らしい名前ばかりですね」
と田鶴子さんも珍しがった。
引き返してお諏訪さんへ向う途中、
「村岡君は信者だったね?」
と渡辺さんが山里村から連想したのか不意に尋ねた。
「まあ然うだね」
「まあ然うだは旗幟鮮明を欠いているね」
と団さんが言った。
「もう卒業してしまったんだね。昔なら転び切支丹というところか」
「転び切支丹て何だい?」
とお父さんも気になると見えた。
「何でも昔京都の四条河原とかで切支丹を刑に処した時のことだと言ったよ。信徒を俵の中に入れて置いて、『改宗して良民に戻るものは命を助けてやるから転げて来い』という申渡さ。信仰の固い俵は貧乏揺ぎもしなかったが、弱いのは河原をコロ/\と転げて来たそうだ。それで転び切支丹とか転び証文とかという言葉が極く普通になったらしい。邪宗門ころび家旨改帳なんてのが此処の県立図書館に残っている。切支丹禁制時代の書類だの踏絵だのが沢山あるから調べるなら寄って見ようか」
「宜いよ/\。転びぐらい常識でも分る。不見転という言葉もあるじゃないか?」