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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

中央の鼻に見えるお城のようなのは最勝閣と申して日蓮宗の学校、田中智学さんが毎夏衛生講話を致します……」

という具合に滔々と弁じ立てた。

間もなく僕達は久能山へと志した。左手に海が見えた時、僕の車屋は前の俥の団さんに話をしかけた。

「旦那、あの一本マストのは皆遠洋漁業船でございます。遠州から伊豆の漁業船が残らず寄りますから、魚の集まること清水港は蛙の小便じゃないが田えしたもんですよ」

「それじゃ魚は安いだろうね?」

と団さんは彼方向きのまゝで応じた。

「ところがその魚が目っくり玉の飛び出すくらい高いです」

「何故ね?」

「皆東京へ出てしまいまさあ。去年の冬は鰤が三万本捕れました。旦那、三万本ですぜ!」

「捕れたもんだなあ」

「斯ういう大漁なら好加減此方の口にも入るだろうと思っていましたが、何のことやれ、料理屋でちいっとばかり使ったぐらいのもので、皆他所へ出てしまいました。土地で捕れた魚が土地の者の口へ入らないのですから情ない話ですよ」

と車屋は余程鰤が食いたかったらしい。少時すると又、

「旦那、この山の石垣に赤いものが見えるでしょう?」

「成程、苺かね? 早いね」

と団さんは山の腹を見上げた。