Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
屹度直して差上げます」
と自分のお手のものゝように未だ罹りもしない病気の安請合をしている。
程なくいかにも東海道らしい松並木へ差しかゝり、丸子の宿を通り抜けて、僕達は吐月峯に着いた。最初日程を見た時僕は吐月峯とはどこかで見たような名だと思った。しかしいくら考えても灰吹の焼印しか頭脳に浮んで来なかったから、矢張り山だろうと解釈した。ところが今着いて見ると吐月峯柴屋寺という僧庵だった。尤も煙草盆に関係があったには案外のような又案内のような感がした。坊さんが手内職に灰吹を拵えていた。僕達は早速猫の額ほどのお庭と古道具を拝見した。
「吐月峯が沢山できていますな。日本中の吐月峯を此処で供給するのですか?」
と団さんが訊いた。
「否、俺一人の道楽仕事ですから、何っぽも出来ません。この寺では初代宗長以来片手間に灰吹を拵えて売りました。それに吐月峯と銘を打って出しましたので、今日では吐月峯がこの寺の名前よりも灰吹として世間に広まってしまいました」
「一つ本場の吐月峯を戴いて参りますかな」
と三輪さんは棚から大きなのを下してきた。
「君、それは筆立だよ」
とお父さんが注意した。