Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
戦争でこの城ん落ちた時に御殿女中が大勢堀へ身を投げて死んだというので、この辺の蛇は唇が赤いです」
と車屋が説明した。
「何故ね?」
「御殿女中が蛇になったので、やっぱり口紅を差いているです」
「好い道だね。これなら楽なもんだ」
と団さんも元気が出た。
菊川の里というのを谷底に望んでから、道が爪先下りになると程なく僕達は夜泣石のある茶屋に着いた。石は真円で、極く大きな雪達磨の胴ぐらいだ。驚いたことにはこんな淋しい山中へ若い女連れの見物人が来ていた。二人とも品の好い奥さんで、茶屋の爺さんの講釈を謹聴している。
「……轟郷右衛門は一刀の下に小石姫を斬り捨てました。その折切先がこの石に当って刃が少々こぼれたのでございます。小石姫は当時丁度臨月でございましたで、秋の夜露と消えました身の胎内から男の子が丸々と生れ出ました。ところへ観音寺の住職が通りかゝりまして、泣いている赤子を拾い上げ、この山の上の池で産湯を使わせてその儘寺へ引き取りました。乳がありませんでしたで、日毎に門前の飴屋から飴を求めて養い育てたと申すのが、今日手前の店で売りまする小夜の中山名物夜泣飴の由来でございます」