Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
けむりをはかぬえんとつ
けむりを吐かぬ煙突
夢野 久作
Lesen Sie けむりを吐かぬ煙突 (けむりをはかぬえんとつ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.836 Zeichen · 28 Bildschirme
締切を突破した予告原稿だから……。
そこでこの原稿はバラバラになって職工の手に渡る。印刷されてもわかる気遣いはない。製本されて纏まった文章になって、蒸気とガソリンの速力で全国の読者に配布されても地名や人名は仮名になっているし、標題に含まれている暗示もよほど注意深く新聞を読んでいる人か、又は実地を調査した係官の中でもかなり職務に忠実な人間でなければわからないようにしておいた。だから、これがあの事件の真相だと気付かれるのはドンナに早くとも二三週間の後だろう。その間に完全な失踪が出来ない位の私なら、捕まっても文句はないだろう。
私のこうした行動が、この場合唯一の自白であり、且つ手がかりである事を私は知り過ぎる位知っている。……にも拘わらずドウしてコンナ大胆な……むしろ馬鹿な行動を執ったか。
その理由はただ一つ……事件の真相をどこまでも真実の形で認めてもらいたいからだ。南堂伯爵未亡人との約束を果したいからだ。
私は捕まり次第、脅喝殺人の罪に問われるにきまっている。うっかりすると謀殺か強盗の廉で首を絞められるかも知れない虞れが十分にある。そんなにまで恐しい事件にタッタ一人で触れて来たのだ。