Japanische Klassiker mit Furigana
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ことのしんじつ
ことの真実
宮本 百合子
Lesen Sie ことの真実 (ことのしんじつ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.470 Zeichen · 15 Bildschirme
もしこの科学者、官吏が命を失っていたらどうであろう。その人の努力、妻たる人の奮闘がどのようであろうとも、三人の子供をつれた未亡人に、あてがわれる官舎はあるのだろうか。同じところにつとめていたというだけの人々――これはわたしたちに息をつめさせる言葉である。
「流れる星は生きている」のなかに、一度ならず二度ならずいまわしさをもって叫ばれているのは「日本人の利己主義」という言葉である。利己主義が日本人という民族の属性なのだろうか。そうは思えない。それが、生存する環境の悪条件に左右される自己防衛の牙であることは、著者そのひとが脱出の夜良人に向っていった言葉であきらかにされている。日夜顔をあわせている女同士で自分が八百円に売ってやった衣類の、二百円を天びきに相手にわたして、何も知らないその人が礼にとさしだす百円ももらい「三百円儲けた話」は、きょうの著者の心に、明るいエピソードだろうか。人間の心は、こういうときはこうもなるものです、と居直ってすむものならば、非人道的な捕虜虐待で日本の軍人が戦争犯罪に問われる道義的根拠は失われる。最近ヒットしたルポルタージュの選手三人の座談会で、著者は、いよいよとなったら身を売っても仕方がない、売るなら高く売ろうと思いましたと語っている。