Japanische Klassiker mit Furigana
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さかずきのりんね
さかずきの輪廻
小川 未明
Lesen Sie さかずきの輪廻 (さかずきのりんね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.603 Zeichen · 21 Bildschirme
いまどきのものに、こうした、藍の冴えた色は見られないな。まあ、いい品だろう。」といいました。
「だれが、造ったのでしょうか。」と、孫はたずねました。
おじいさんは、また、さかずきを手に取りあげて、ながめました。
「そうだ、利助と書いてある。聞いたことのない名だな。」
結局、たいした品ではないが、まあ古いさかずきだから、いまどきのものとくらべると悪いことはないというのでした。孫は、家へ帰りました。彼は、さかずきをまた紙に包んで、仏壇のひきだしにいれておきました。
寒い、雪の降る国に、孫はいたくはありませんでした。彼は、いつからともなくにぎやかな東京の街に憧れていました。そして、いつかは、東京に出て、なにか仕事をして、かたわら、勉強でもしようという望みを抱いていました。
とうとう、彼は、家のことを姉や、弟とに頼んで、自分は東京へ出ることになりました。そのとき、彼は、昔から家にあった掛け物や、金銀の小さな細工物や、また、長く仏さまに酒を上げるさかずきになっていた、ひきだしの中にしまってあった利助のさかずきなどをひとまとめにして、それを荷物の中にいれました。