Japanische Klassiker mit Furigana
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さかずきのりんね
さかずきの輪廻
小川 未明
Lesen Sie さかずきの輪廻 (さかずきのりんね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.603 Zeichen · 21 Bildschirme
「利助というような名人があったのに、どうしていままで知られなかったろう。」と、陶器の愛好家の一人がいいますと、
「ほんとうの名人というものは、みんな後になってからわかるのだ、見識が高かったとでもいうのだろう。」と、その話の相手はさながら、名人が、その時代では、不遇であったのを怪しまぬように答えました。
「私は、利助の作がたまらなく好きだ。まあ、この藍色の冴えていてみごとなこと。金粉の色もその時分とすこしも変わらない。上等のものを使っていたとみえる。」
「貧乏な暮らしをしたということだが、芸術のうえでは、なかなかの貴族主義だった。」
「私は、利助の作った完全なさらがあるなら、どれほどの金を出しても、一枚ほしいものだ。」
「その考えは、ぜいたくだろう。なにしろ、あの薄手では、大事にして、しまっておいても保存は、容易ではない。」
「なぜ、あんなに、薄手に焼いたものだろうか。」
「あの薄手がいいのだ。あれでなければあの純白の色は出せないのだ。」
「もっとも、利助ほどの天才は、自分のものが長く保存されるためとか、どうとかいうような俗な考えはもたなかったろう。ただ、気品の高いものを作り上げたいと思っていたにちがいない。