Japanische Klassiker mit Furigana
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さかだちこぞうさん
さか立ち小僧さん
小川 未明
Lesen Sie さか立ち小僧さん (さかだちこぞうさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.958 Zeichen · 14 Bildschirme
空き地にいた、多くの子どもたちにも、その話がわかるので、みんな目を輝かしながら、秀吉の顔を見つめて、聞いていました。
「おれはずいぶん遠い村まで、ご用を聞きにやらされたものだ。ちょうど、二里ばかりはなれた居酒屋に黒という犬がいて、おれが帰るときに、追っても、追っても、ついてくるのだ。とちゅう、ほかの犬がたかってきて、ほえたり、追いかけたりしても、やはりついてくる。黒はだまって、けっしてあいてにならないが、たまに大きい強そうな犬が出てきて、いじめられそうになると、どこをどうまわって逃げるものか、ちゃんと、先へいって、おれを待っている。ほんとうに、りこうなかわいい犬だったよ。おれたちが、店へつく時分には、もうとっくに日が暮れていて、外は真っ暗だった。そして、おれが、戸をあけて、店へ足を入れると、さびしそうに、それまで立ちどまって見ていた黒は、呼びとめても、後もふり向かずとっとと、もとの道をもどっていくのだ。おれは、かわいそうで、どうしようもなかった。床へ入っても、黒のことばかり考えて、その姿が目にうかんで眠られなかった。いまごろ黒は、まだあのさびしい松並木のあるあたりを歩いているだろう。