Japanische Klassiker mit Furigana
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さようなら
さようなら
田中 英光
Lesen Sie さようなら von 田中 英光 (たなかひでみつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.251 Zeichen · 44 Bildschirme
もいえない、反ってそれほど愛し憎んだリエに、一生、連れそう義務を感ずる。それで妻と別れ、リエと結婚し、次男と長女をひきとる具体的計画もたて、既に、自分の移動証明をリエのもとに移し、まず七つの長女をリエとの同棲生活に連れてきた。ぼくはそこで、妻と他のふたりの子に、あっさり冷たく「さようなら」をいう積りだった。そしてリエとは義務として死ぬまで一緒にいる積り、「さようなら」をいつまでもいうまいとする。
すると奇怪なことに、ぼくは始めて妻が自分の為に、その女の一生を台なしにしたと悔まれ、自分の手もとから放すふたりの子供が哀れになり、小鼻を膨らましたリエが七ツの長女に平気で、「お母さん」と呼ばせている無神経さ、ぼくに傷つけられた下腹部からその肉体がまだ恢復せぬのをみせつける如くノロノロ動き、細い首筋をつきだしゆっくり平板な顔を廻してみせる動作、一生、彼女の面倒をみる道徳的責任があるとその毎に、ぼくに迫る彼女の自己愛、そうした一切のものに堪えられなくなったのだ。詰り、ぼくはリエにいつか「さようなら」せねばならぬとの実感があった頃は、どうしてもリエに、「さようなら」