Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぱくのはなし
しんぱくの話
小川 未明
Lesen Sie しんぱくの話 (しんぱくのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.076 Zeichen · 7 Bildschirme
幸いに根のかみついていた岩角が砕けなかったから、よかったものの、もし壊れたら、おそらくそれが最後だったでありましょう。
しかし、いまは、そのときの傷痕も古びてしまって、幹には、雅致が加わり、細かにしげった緑色の葉は、ますます金色を帯び、朝夕、霧にぬれて、疾風に身を揺すりながら、騎士のように朗らかに見られたのであります。
冬でも、この岩穴の中に越年する、いわつばめがすんでいました。ひらひらと、青い空をかすめて、右に、左に、飛んでいたが、やがて、風に舞って落ちてきた木の葉のように、しんぱくの枝にきて止まりました。
「雪が近づきましたよ。西の空が火のように赤いのです。こんどあらしがあるときっと雪を持ってきますからね。」
そういって、いわつばめは、だんだん黄昏れていく、奥深い空を見上げていました。
うっかりしようものなら、冷い風が、小さな体をさらって、もう暗くなった谷間へたたき落とそうとしたのであります。
しんぱくは、そのたびに、頭をはげしく振りました。
「いや、そのほうがいいでしょう。あなたたちは、岩穴の中でゆっくり眠りなさるがいい。かれこれするうちに、じきに四、五月ごろとなります。