Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅりあの・きちすけ
じゅりあの・吉助
Lesen Sie じゅりあの・吉助 (じゅりあの・きちすけ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.957 Zeichen · 4 Bildschirme
そこで彼等は好奇心に駆られて、注意深く彼を監視し始めた。すると果して吉助は、朝夕一度ずつ、額に十字を劃して、祈祷を捧げる事を発見した。彼等はすぐにその旨を三郎治に訴えた。三郎治も後難を恐れたと見えて、即座に彼を浦上村の代官所へ引渡した。
彼は捕手の役人に囲まれて、長崎の牢屋へ送られた時も、さらに悪びれる気色を示さなかった。いや、伝説によれば、愚物の吉助の顔が、その時はまるで天上の光に遍照されたかと思うほど、不思議な威厳に満ちていたと云う事であった。
二
奉行の前に引き出された吉助は、素直に切支丹宗門を奉ずるものだと白状した。それから彼と奉行との間には、こう云う問答が交換された。
奉行「その方どもの宗門神は何と申すぞ。」
吉助「べれんの国の御若君、えす・きりすと様、並に隣国の御息女、さんた・まりや様でござる。」
奉行「そのものどもはいかなる姿を致して居るぞ。」
吉助「われら夢に見奉るえす・きりすと様は、紫の大振袖を召させ給うた、美しい若衆の御姿でござる。まったさんた・まりや姫は、金糸銀糸の繍をされた、襠の御姿と拝み申す。」
奉行「そのものどもが宗門神となったは、いかなる謂れがあるぞ。