Japanische Klassiker mit Furigana
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たきび
たき火
国木田 独歩
Lesen Sie たき火 (たきび) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.674 Zeichen · 8 Bildschirme
かかる時浜には見わたすかぎり、人らしきものの影なく、ひき上げし舟の舳に止まれる烏の、声をも立てで翼打ものうげに鎌倉のほうさして飛びゆく。
ある年の十二月末つ方、年は迫れども童はいつも気楽なる風の子、十三歳を頭に、九ツまでくらいが七八人、砂山の麓に集まりて何事をか評議まちまち、立てるもあり、砂に肱を埋めて頬杖つけるもあり。坐れるもあり。この時日は西に入りぬ。
評議の事定まりけん、童らは思い思いに波打ぎわを駈けめぐりはじめぬ。入江の端より端へと、おのがじし、見るが間に分れ散れり。潮遠く引きさりしあとに残るは朽ちたる板、縁欠けたる椀、竹の片、木の片、柄の折れし柄杓などのいろいろ、皆な一昨日の夜の荒の名残なるべし。童らはいちいちこれらを拾いあつめぬ。集めてこれを水ぎわを去るほどよき処、乾ける砂を撰びて積みたり。つみし物はことごとく濡いいたり。
この寒き夕まぐれ、童らは何事を始めたるぞ。日の西に入りてよりほど経たり。箱根足柄の上を包むと見えし雲は黄金色にそまりぬ。小坪の浦に帰る漁船の、風落ちて陸近ければにや、帆を下ろし漕ぎゆくもあり。
がらす砕け失せし鏡の、額縁めきたるを拾いて、これを焼くは惜しき心地すという児の丸顔、色黒けれど愛らし。