Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

申し入れをするか、世界史のこの偉大な一頁は、どうしたって聞きのがせない。十一時すぎにうちの賢夫人がおしずまりになったので、子供芝居の悪漢の登場のようにヴァイオリンの震音つきで、ぬき足しのび足でパパの書斎へ忍びこんだ。

なんだかしらないけどぞっとするほどすごいんだ。このほうが面白くなってラジオなんかどうでもよくなったが、それでは国民の信義に欠けると思って、ダイヤルをひねくりまわすうちに、空の高いところをサラサラとわたって行く秋風のようなわびしい音が流れだしてきた。

セットの横っ腹に耳をつけると、〈戦争〉とか〈惨禍〉とか〈終止させることを〉とか、そんな言葉が風に吹きちぎられる酔っぱらいの歌声のようにとぎれとぎれにひびいてくる。虫の声もきこえないしんとした夜ふけに、ほそぼそとした白鳥の歌を傍受していると、日本がかあいそうになってきて涙がでた。

十一日の朝、広島へ現地視察に行ってきた理研のRさんが、クラブの朝食会で原子爆弾のすごさや広島のアビ叫カンの惨状について自由講話をしたあとで、ヴェランダでみなとお茶を飲みながら呆れ顔でいった。

「ピカッと光った一瞬に、第二総軍だけで戦死が八万に戦傷が二十万……日露戦争の二年間の全損害より多い犠牲者を出しているのに、新爆弾おそるるに足らずなどと強がりをいっています。