Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
眼玉のレンズ調節に狂いがきて、むやみに視野が狭くなる病気があるそうだが、この二人がなにかやっているあいだは、まわりの視野が完全に脱落してしまうのだとみえ、それが誰であろうと、そばにいる人間なんかに気をつかうようなことはない。
ヨーロッパへ行ったり、日本へ帰ってきたり、またヨーロッパへ行ったりと、このあいだママ薯が悪口をいっていたが、それは長謙さんと珠子さんのことなんだ。
長謙さんも珠子さんも、親族繁殖によって一大フジョンをつくりあげたむずかしい家の四代目で、一日も早く、バカになるようにと、どちらもまだ十二三のとき、事業を支配している番頭の意志ではやばやとヨーロッパへ遊びに出されたが、おかげでヨーロッパに飽きあきしてすごい日本好きになり、毎年、桜の咲くころ日本へ帰ってきて、季節のはじまる十月ごろヨーロッパへ戻るという渡り鳥のようなことをしていた。
有島さんのお友達のSさんは、サルト県の山の中にある大きな古城を買って、いちども日本へ帰らずに、やさしい奥さんと二人でゆうゆうと絵をかきながら、三十年近くも落着いた生活をしている。ママなどもむかしは誤解していた組の一人で、Sさんのようなひともいるのにと二人のすることを歯痒がっていた。