Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

〈フィガロの結婚〉の第五幕目にそっくりな、浮き浮きするような華やかな舞台面が、間もなくどんなひどい騒ぎに急転換するのだろう。

あたしの人生は今夜十八歳をもって終りをつげる。殺されるということ、それから死ぬということ……どちらも経験がないのでよくかんがえられない。いよいよとなったら泣きだすかもしれない。ひょっとするとみじめなことをわめきだしそうだ。

いやだな。悲しくはないけど、胸が重い。痛いかしら。たぶんそうひどく感じないだろう。おしつけるようないやなショック……辛い、なんともいえないおそろしい瞬間……気が遠くなる前のあのよろめくような感じ……地面が足の下でぐらりとゆれる。眼の前の景色が急に夕暮のように暗くなる。短いすすり泣き……たぶんそのへんですんでしまうのだろう。

おチビさんがいった。

「もう夜食が出ているはずよ。行っていらっしゃい。あたしになら、ご遠慮はいらないわ」

外廊へあがる石段のそばに小さなパーゴラがあって、卓のうえに豆電灯を入れた磨硝子の白熊が一匹置いてある。見に入ると、奥の椅子から、パルドンといって背の高いスイス人らしい若いひとが立ちあがった。