Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
二十九日 水曜(つづき)
苦しい日本にはちがいないけど、たまにはこんな美しい〈時〉だってあるのに。慰霊祭にこの軍艦のひとたちをみな呼んで盛大に踊ってあげたい。
第二部の二番がはじまった。ルクオの〈長い船路の終り〉だった。あたしは十六人目の愛人の手をひいて、穴だらけのあぶない階段をワルツのほうへ降りて行った。ねむくなった。きょうはこれでおしまい。
二十九日 水曜(つづき)
昨日までのところは、愛人が出たり、心の椅子がでたり、小説みたいなところで終っていた。
飛行長の手をひいて短い鉄の階段を二つばかり降りたとき、雲のなかから滲みだすように爆音がひろがり、P51のエスカドリールが引鶴の群のように頭のうえを通って行った。飛行長は足をとめて海を見ていたが、ワルツのほうへ行くのをやめて、汽船ならキャッスルといった、鉄で張った広いプラットフォームのようなところへ連れて行った。すぐそばに砲座からはずされた高射砲がころがっていた。
「ここは旗甲板……信号旗をあげるところで、軍艦ではいちばん色彩のある場所です」
飛行長は若い水兵さんに、眼鏡、と怒鳴っておいて、眼を細めて熱心に沖のほうをながめはじめた。