Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
いかにもあそんでもらいたそうなようすだ。ご放送がすんでからママのおつきあいをしてロッキングに掛けていたが、べつに面白いこともない。クラブへ行ってみようとそっと立ちあがると、すかさずママがたずねた。
「どこへいらっしゃるんです」
「ちょっとクラブへ」
「クラブになにがあるんですか」
「なにがあるか、行ってみないとわかりませんのですけど」
「あなたはどうしてそうジタバタするんです。今日ぐらいは落着いていられないんですか」
うちの賢夫人は丑年生れの大人物で、覚悟をきめて坐りだしたら、背筋をおッ立てたまま、まる一日でも動かずに坐っていることができる。娘時代はひどい物臭さで、お琴も、お花も、ピアノも、手芸もうるさいことは一切やらず、一日中、居間でしんとおしずまりになっていた。パパは懶惰の美とでもいうようなのろのろの魅力にひっかかって結婚を申し込んだが、コセコセした才女型が外交官のお嫁さんの定型だった時代なので、法王庁におけるルーテルのように各方面から非常なヒンシュクをかったということだ。
パパ説では、妻君というものは、いるようないないような、たとえば雨とか虹とか、そういう自然現象のように、なんとなくまわりにトーヨー(たゆたい、漂うこと)しているのが理想なんだそうだが、新婚早々、二人で旅行したとき、汽車が東京駅を出て神戸へ着く