Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

「うまいことをいう。そうだよ、クラブの旗ができたんだ」

ルイ・ジュウベによく似た、ひどく苦味ばしった鳶の頭が手を払いながらやってきて、六右衛門さんにいった。

「いたしました」

「すぐあげられるのか」

「へい」

「じゃ、あげてくれよ」

「あっしどもでいたしますんですか」

「ああ、たのむよ」

鳶の頭は手下のところへ戻って行った。

「おい、みんな手を洗ってくれ」

裏へ行って手を洗って戻ってくると、頭は汚点ひとつない、まっ新の日の丸の旗を畳紙からだして綱に結びつけ、手下といっしょにえッえッとひきあげた。

旗はしなだれながら柱のてっぺんまであがって行って、そこでパンと音をたててひらくと、すぐ風に乗ってひらひらとひるがえった。青い空で、白と赤だけの新しい旗がつくりだす雰囲気は非常に新鮮だった。

日本はきょうから〈国〉でないんだから、〈国旗〉などというものは存在しないが、これでも昨日までは万国に確認された日本の登録商標で、あたしたちにとっては、ほかのどんなものでも代用することのできない大切な象徴だった。この旗によってどんなに鼓舞され、慰められ、この旗の下で、この旗を振りながら、どれだけの日本人が死んで行ったことだったろう。