Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
まで、ママが姿勢を崩さずに悠然と坐っていたのにはおどろいて、こいつは馬鹿でないのかと心配したそうだ。
ところであたしは申年生れの小人物で、天気のいい日には先祖の原始感情がめざめ、枝から枝へ伝って歩きたいような衝動に駆られ、お尻がむずむずして椅子になんか落着いていられない。下手に無理をすると、血の中の先祖の猿が腹をたてて、おれをどうするんだ、おれを。キャッキャッと金切り声をたてながら身体じゅうをくすぐる。
猿は牛とちがう。牛のようにやれといったってやれるわけはない。それに満寿子さんの〈あの方〉と〈和平工作〉と〈アメリカ〉の三角関係がどう解決したか気にかかる。
「ともかくちょっと行ってきます。用事を思いだした」
あたしのいうことなんかてんで問題にしない顔でママがいった。
「あなたは今朝もいらしたでしょう。今日はもういいにしておおきなさい。戦争が終ったからって、すぐ解放されたような気になって、フラフラ遊びまわったりするのは利巧なひとのすることではありません。ママは反対よ」
「その点なら同感ですよ、ママ」
「これから先きどうなるのか、調印式がすむまではまだまだたいへんなんですから、もうすこししっかりしていただきたいですね」