Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
男爵島野清彦 仏国飛行大尉 名誉勲章四等帯勲者
妻ジャネット このところに眠る
と彫りつけた鸛一さんのパパとママの小さな大理石の墓があって、そのとなりに満寿子さんの新しい木の十字架が、ごうせいな花にとりかこまれて立っていた。
あのやさしい満寿子さんは、停電のさなか、聖路加病院の白い病室で、蝋燭のあかりに照らされながら息をひきとった。長謙さんが煙草をすいに出て、二十分ほどして帰ってきた。満寿子さんはしずかな顔で眠っていた。長謙さんが枕元の椅子に坐って、老眼鏡をかけて本を読んでいるおばあさまにささやいた。
「落ちついたようですね」
おばあさまが美しい眼で長謙さんを見あげ、ゆっくりと本を閉じてからいった。
「はい、死にました」
満寿子さんはじぶんのことでひとをさわがせたり、迷惑をかけたりするのをなによりきらいなひとだったが、いかにも満寿子さんらしい死にかただった。
ルロンのハンド・バッグたのむよと怒鳴ったときの満寿子さんの笑い顔が眼にうかぶ。いくらあたしがとんちきだって、ほんとうに死ぬと思ったらあんなことをいうわけはない。あんなものを飲んだぐらいで満寿子さんが死ぬなんてかんがえてもいなかった。