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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

降参すればいいなどと、ただのいちどもかんがえたことがなかった。

昭和十八年に日本へ帰ってきたその日から今日まで、あたしたちは一日の休みもなく戦争に協力した。一年半のあいだ、寝るにも起きるにもスラックスをぬいだことがなかった。男女国民総出陣の〈義勇隊兵役法案〉が通過したときも、草掻きの熊手で海兵隊とやりあうチャンスにめぐまれることも、すこしもおそれていなかった。

四代目クラブのクラブ・ハウスとあたしの家のある谷のうしろの台地は、べたいちめんに高射砲陣地で、射ちあげるたびに船酔いするくらい家が揺れ、雨やアラレと落ちてくる砲弾の破片で屋根瓦は一枚のこらず撃墜され、天井のスタッコは全員玉砕してしまった。陣地から立ち退けとうるさくいってきたが、パパも四代目クラブも一億総逃亡式の疎開に腹をたてていたので、なんといわれてもがんばって動かなかった。

四代目クラブのオール・ウェーブは早やばやと憲兵が持って行ってしまった。パパの書斎にあるやつは古びたりといえども〈トゥ・フランス〉型の六球だからカスカスぐらいには入るだろう。ドオショオ閣下の有名な〈法律第四十九号〉によって、一般市民がみだりに海外放送をきくと国防保安法違反で憲兵隊へひっぱられることになっているが、まだいちども敗けたことのない土つかずの日本が、どんな凛々しい休戦