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Japanische Klassiker mit Furigana

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だるまやひゃっかてん

だるまや百貨店

宮本 百合子

Lesen Sie だるまや百貨店 (だるまやひゃっかてん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.178 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

「うまく考えたもんじゃ! 一年につもったらだい分石炭がちがうわ」

と云ったのは本当だった。皆そう思っているのであった。

今日のような半休でも寄宿舎の女店員たちは通勤とちがって存分に手足をのばしてふざけることも出来なかった。外出は二人以上組でないといけない。半休ごとに出かけると幾子が、さっきの唄のくちで、何かと当てつけた。

「東京には花嫁学校と云うのが出来たそうですが、皆さんは結構じゃわ。こうしていて商売の道は覚えてゆくし、社交はお手のものじゃし、――当県ではだるまやの寄宿舎にいた娘はんじゃったら理想的な花嫁さまじゃと云わせんならんわ。――ねえ」

幾子はもと、どこかの村で裁縫の代用教員をしていたことがあるという話であった。

寄宿舎の室の内では、襦袢の襟をかけかえている者、声を忍ばせて笑いながら、腕相撲をとっている組。そのわきで、とよ子とサワが、

「あんたおいきよ」

「いやア」

「何故?」

「――知らん!」

さっきから押し問答をしていた。

「ね、こんど私がきっとゆくから、おがむ、かりて来て」

サワが渋々たって襟もとを直しはじめた。

だるまやの寄宿舎では、女店員たちの室へ新聞さえ置かせなかった。