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Japanische Klassiker mit Furigana

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どこかにいきながら

どこかに生きながら

小川 未明

Lesen Sie どこかに生きながら (どこかにいきながら) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.469 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

こんなことが、二度とないように、こらしめるとでも思ったのでしょう。しかし、彼女のもどったときは、二匹のねこの姿は、もう見えませんでした。

重なり合うように、建ち並ぶ家々の屋根は、さながら波濤のごとくでした。地の上ですむことのできないものは、ここが唯一の場所であったかしれません。二匹のねこは、もう降りようとしませんでした。ときどき、おびやかすように、ものすごい木枯らしが、吹かなければ、なおよかったのです。

「おまえは、どこへいってもいけないよ。じっとして、私の帰るのを待っておいで。」

母ねこは、こう子ねこにさとしたのでした。高い家にはさまれて、目立たない平家は、比較的風もあたらなければ、日が射すと、ブリキ屋根から陽炎の立ちそうな日もありました。子ねこが、一人歩きさえしなかったら、ここは、どこよりもいいところだったにちがいありません。しかし、いくたびとなく追われ、いじめられつづけて、そのたびに母ねこが、命をかけて守ってくれたのを知っているので、子ねこは、いいつけにそむくことはなかったのです。

母ねこは、後に残した子ねこのことを心配しながら、方々のごみ箱や、勝手もとをあさったのでした。