Japanische Klassiker mit Furigana
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はしがき(『ぶんげいひょうろんしゅう』)
はしがき(『文芸評論集』)
宮本 百合子
Lesen Sie はしがき(『文芸評論集』) (はしがき(『ぶんげいひょうろんしゅう』)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.615 Zeichen · 4 Bildschirme
ジイドにしても、このことはいえる。これまで一部の人の手本としてもちまわられた外国文学は、きょうまた商業主義出版で歪められている。バルザックについての評論、ノートその他は、たとえ完全なものでないにしろ、『歌声よ おこれ』にはいっていたものが大体この本にとりいれられたについては、わけがある。「歌声よ おこれ」その他は八月十五日のあと、わたしたち日本の人民が、苦しく圧えられていた体と心との全体のあがきをとりもどして、新鮮溌溂な民主的社会とその文学の建設に歩み出そうとする黎明に向ってのよびかけであった。それらの声は決してわたし一人の声ではなかった。こだまは四方にあった。そして、一九四七年の夏に解放社から『歌声よ おこれ』という本になって出版されたものを見たとき、わたしは切ない心持になった。その本は、手ちがいのために、ひどく紙質も粗悪であったし、頁のくみちがえもあった。書籍として愛しにくい本になった。
この苦痛は読者の側にもあって、いろいろ要求があった。そこへこのたび近代思想社から文芸評論集編纂の話が出て、解放社の『歌声よ おこれ』は同社と協議の上絶版として、その主要な部分がこちらに再録されることになった。