Japanische Klassiker mit Furigana
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はてしなきせかい
はてしなき世界
小川 未明
Lesen Sie はてしなき世界 (はてしなきせかい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.675 Zeichen · 10 Bildschirme
赤ちゃんは、座敷にちょこなんとすわっていながら、まぶしそうな目つきをして、エプロンがさおにかけてあるのをながめていました。どんな気持ちで赤ちゃんがそれをながめているか、知ったものはありません。
しかし、赤ちゃんは、憎らしいエプロンだと思っていたには相違ないと思われます。短い日であって、一日には、そのエプロンはよく乾きませんでした。そして、日暮れ方から風が出てきて、天気が変わりかけたのであります。
エプロンが、さおにかかって、ひらひらとなびいているのを、その日の晩方、赤ちゃんはもう一度、縁側の障子につかまって立ちながら見たのでありました。
やはり、だれも、そのときの赤ちゃんの心持ちを、知るものはありませんでしたけれど、赤ちゃんは、うんとエプロンが風に吹かれて、風が、あのエプロンを遠い、もうけっして見つからないところへ、持っていってくれればいいと思ったでありましょう。
エプロンはまだぬれてもいたし、また惜しい品でもなかったから、そのままにして家の内へいれずにおきますと、その夜雨風が吹き荒れて、ほんとうに夜の間に、エプロンは、どこへか飛んでいってしまったのです。