Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はてしなきせかい

はてしなき世界

小川 未明

Lesen Sie はてしなき世界 (はてしなきせかい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.675 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

この赤ちゃんは、いつしか日数をへて、かわいらしい坊ちゃんとなりました。

坊ちゃんは、もうそのころから、自分は、ただ一人であるというような、さびしさを感じたのであります。みんなから離れて、ぼんやりと道の上に立って遠くの雲をながめたり、また、空をはてしなく飛んでゆく鳥の影を見送ったりして、かんがえ込んでいるようなことが多うございました。

ある夏の日の晩方のことでありました。この感じ深い子供は道の上にたたずんで、いつものように頭の上を飛んでゆく鳥をながめていました。もうあたりはだんだんと暗くなりかけていました。けれど、鳥の飛んでゆくかなたの空だけは、明るい、なんとなくなつかしい色を、瞳に映じたのでありました。

「ああ私も鳥になりたい。そして、あっちの明るい国へ飛んでゆきたいものだ。」と、子供はいいました。

すると、どんなものに対しても注意深く、また耳ざとい鳥は下の方を向いて、すぐに子供を見つけて、そのいうことをすっかり聞いたのでありました。

「坊ちゃんは、私といっしょにあっちへゆきたいのですか。だけれど、それはできません。私のゆくところは、たいへんに遠いところなのであります。