Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひばりのこ

ひばりの子

岡本 かの子

Lesen Sie ひばりの子 (ひばりのこ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.945 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

その様子がまた、何とも云えないほど可愛らしいので一郎さんが、

「僕それをね、あの籠へいれて育てようや」

とお遊び場の方へ走せて行きました。そうかと思うと、たえ子さんも、

「あたしも、あの袋を持って来るわ」

とあとから、続いてまいりました。

やがて一郎さんは去年の夏、きりぎりすを飼った空籠を持って、たえ子さんは、きしゃごのはいっていたちいちゃな糸網をさげて飛ぶようにして戻ってまいりました。そして、

「さ、婆や」

と両方から、一時にお手々が出てしまいました。

婆やは、はたと困ってしまいました。たった一つしかない子ひばりを、どちらへ渡してよいものやらわからなくなったからです。婆やは、まごまごしておりますと、

「さ、僕に」と一郎さんが急ぎますし、

「あたしによ」とたえ子さんがせまります。

「早くさあ」と一郎さんがつめよると、

「よう、あたしに」とたえ子さんが手を出します。

「僕におくれ」

「あたしに頂戴」

「いやだ!」

「いやよ!」

とうとう二人は云い争って、一度にどっと泣き出してしまいました。泣き出しながらも、なお一生懸命に、たった一つのひばりの子を、争い合うのを止めません。日頃なかのよい兄妹がこのありさまですから、婆やはますますあわててしまいました。