Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふしぎないわ

ふしぎな岩

林 芙美子

Lesen Sie ふしぎな岩 (ふしぎないわ) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.676 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

夜になって、ふしぎな岩は、そっと動きはじめました。岩が動くってへんですね。

あわいお星さまをすかして、霧のような山風が、ひくい谷間から、ごう、ごう、ごうと吹きあげています。どこかの森の方で、フクロウが鳴いています。岩は、どっこいしょと起きあがって、せいいっぱいにのびをしました。

「ああ、いい気候になったな……遠いところへ旅行をしてみたいな。」

と、ふしぎな岩は、むくり、むくりと少しばかり歩きました。すると、谷間の方から、ざわざわとササヤブをふみ鳴らして岩山の方へ何かが登って来るようなようすです。ふしぎな岩は、「おや、何だろう?」と、じいっと耳をすましてまわりをながめました。

がさがさと音をたてて、やがて、一ぴきのオオカミのようなけだものが、いかにもつかれきったようなすがたでひょいと岩の前に登って来ました。岩はじいっと息をのんで、そのけだものを見ていました。

じいっと見ていると、それは、いつもこの山みちを通る、山小屋の飼犬のタローでした。こんな真夜中をどうして、いまごろ、タローがひとりで歩いているのだろうと、岩はみょうなことだと思っておりました。タローはつかれてへとへとになっていたのか、岩のところへ来ると、そこへ腹ばいになって、ウオー、ウオーと谷底をながめながらほえたてています。