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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふもれすく

ふもれすく

辻 潤

Lesen Sie ふもれすく von 辻 潤 (つじじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.833 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

二十三や四でもう先の年功加俸だのなにかの計算をして暮らしているような馬鹿の仲間入りをしていたら、人間もたいていやりきれたものではない。いくらか気持ちののびのびした私立女学校へやってきたが、一年とは続かずとうとう野枝さんというはなはだ土臭い襟アカ娘のためにいわゆる生活を棒にふってしまったのだ。

無謀といえば随分無謀な話だ。しかしこの辺がいい足の洗い時だと考えたのだ。それに僕はそれまでに一度も真剣な態度で恋愛などというものをやったことはなかったのだ。そうして自分の年齢を考えてみた。三十歳に手が届きそうになっていた。

一切が意識的であった。愚劣で単調なケチケチした環境に永らく圧迫されて圧結していた感情が、時を得て一時に爆発したに過ぎなかったのだ。自分はその時思う存分に自分の感情の満足を貪り味わおうとしたのであった。それには洗練された都会育ちの下町娘よりも熊襲の血脈をひいている九州の野性的な女の方が遙かに好適であった。

僕はその頃染井に住んでいた。僕は少年の時分から染井が好きだったので、一度住んでみたいとかねがね思っていたのだが、その時それを実行していたのであった。