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Japanische Klassiker mit Furigana

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みさごのすし

みさごの鮨

泉 鏡花

Lesen Sie みさごの鮨 (みさごのすし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.198 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

道は近い、またすぐに出る処であった。

「旦那さん、蚤にくわれても、女ッ子は可哀相だと言ったが、ほんとかね。」

停車場の人ごみの中で、だしぬけに大声でぶッつけられたので、学士はその時少なからず逡巡しつつ、黙って二つばかり点頭いた。

「旦那さん、お願だから、私に、旦那さんの身についたものを一品下んせね。鼻紙でも、手巾でも、よ。」

教授は外套を、すっと脱いだ。脱ぎはなしを、そのままお光の肩に掛けた。

このおもみに、トンと圧されたように、鞄を下へ置いたなりで、停車場を、ひょいと出た。まさか持ったなりでは行くまいと、半ば串戯だったのに――しかし、停車場を出ると、見通しの細い道を、いま教授がのせたなりに、ただ袖に手を掛けたばかり、長い外套の裾をずるずると地に曳摺るのを、そのままで、不思議に、しょんぼりと帰って行くのを見て、おしげなくほろりとして手を組んだ。

発車した。

――お光は、夜の隙のあいてから、これを着て、嬉しがって戸外へ出たのである。……はじめは上段の間へ出向いて、

「北国一。」

と、まだ寝ないで、そこに、羽二重の厚衾、枕を四つ、頭あわせに、身のうき事を問い、とわれ、睦言のように語り合う、小春と、雛妓、爺さん、小児たちに見せびらかした。