Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

めおとよろい

めおと鎧

山本 周五郎

Lesen Sie めおと鎧 (めおとよろい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.130 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

「わたくしは……大丈夫でございます」「よし、ではもうひと我慢、その鎧をぬいでくれ」無理だとは思ったが、抱き起して鎧をぬがせた。脇壺がいたましい槍瘡だった。眼をつむって、妻の血に濡れた鎧を着た。「では屋代、ゆくぞ」

「…………」妻は燃えるような眸子をあげて、くいいるように良人を見た。「ご武運めでたく」

「……死ぬなよ」云いきると共に、かれは決然と乱軍のなかへ斬って行った。

午の刻までは、東軍の苦戦だった。どちらかというと圧迫され、あるときは家康の本陣までが、危うくみえた。雨あがりの戦場は、軍馬のためにこね返され、斬りむすぶ兵たちは、敵も味方も泥まみれだった。孫兵衛は、島津惟新の隊へまっしぐらに斬りこんでいた。それはまったく捨て身のたたかいだった。むらがる敵中へ、まったく単身で挑みかかったのである。「左京大夫浅野幸長の家臣、香田孫兵衛」かれの叫ぶなのりは、どよめきあがる喊声のなかに、幾度も高くひびきわたった。するとそれにつづけて、「おなじく菊岡弥五郎としのぐ」というなのりが聞えた。――弥五郎! 孫兵衛は、殴りつけられたように感じた。かれは声のしたほうへふりかえった。