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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆずのはなし

ゆずの話

小川 未明

Lesen Sie ゆずの話 (ゆずのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.947 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああ、そうだったか。」と、お父さんは、はじめてやさしい兄さんの心持ちを知って、自分のしたことを後悔なされました。

このやさしい兄さんは、その翌年の春、疫痢を患って、わずか一日で死んでしまったのでした。

年雄くんは、いつしか兄さんの年となりました。いま、一人で、ゆずの実を見て、やさしい兄さんのことを思い出していたのです。

いいお天気でした。お父さんは、庭へ出て、倒れかけたコスモスに竹を立てて、起こしていらっしゃいました。やがて、年雄くんのいる縁側へきて、お父さんは、腰をおかけになりました。

「おお、いい色になったな。」と、お父さんは、ゆずをごらんになっていました。

「年や、あすこにあるはさみをもっておいで。」と、お父さんは、おっしゃいました。年雄くんは、さっそくはさみを持ってきて、お父さんに渡しながら、

「なにをなさるの?」と、ききました。

「きって、仏さまに上げるのだ。」

ゆずを見て、お父さんも、やさしい兄さんのことを、思い出しなされたのでありました。