Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆずゆ
ゆず湯
岡本 綺堂
Lesen Sie ゆず湯 (ゆずゆ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.255 Zeichen · 27 Bildschirme
石鹸の泡が眼にしみたのにおどろいて、わたしは水で顔を洗った。それから風呂へはいって、再び柚湯に浸っていると、薬局生もあとからはいって来た。そうして、又こんなことを話しかけた。
「あの徳さんという人は、まあ行き倒れのように死んだんですね。」
「行き倒れ……。」と、私は又おどろいた。
「病気が重くなっても、相変わらず自分の方から診察を受けにかよって来ていたんです。そこで、けさも家を出て、薬壜をさげてよろよろと歩いてくると、床屋の角の電信柱の前でもう歩けなくなったんでしょう、電信柱に倚り掛かってしばらく休んでいたかと思ううちに、急にぐたぐたと頽れるように倒れてしまったんです。床屋でもおどろいて、すぐに店へかかえ込んで、それから私の家へ知らせて来たんですが、先生の行った頃にはもういけなくなっていたんです。」
こんな話を聴かされて、私はいよいよ情けなくなって来た。折角の柚湯にも好い心持に浸っていることは出来なくなった。私はからだをなま拭きにして早々に揚がってしまった。
二
家へ帰ってからも、徳さんとお玉さんとのことが私の頭にまつわって離れなかった。殊にきょうの柚湯については一つの思い出があった。