Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまま

わがまま

伊藤 野枝

Lesen Sie わがまま von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.570 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

田島は改めて卒業の祝辞を叔父にいった。叔父の顔はいかにも満足気に輝いた。

「え、まあどうにかつまづきもなくおかげさまで卒業までに漕ぎつけました。いやしかしどうもずいぶん骨が折れましたよ――」

「そうでしょう、しかしもう大丈夫ですよ御安心が出来ますね、本当に結構でした」

と傍のまき子の方に顔を向けた。叔父は忙しそうにそわそわしながら手荷物の世話などしはじめた。

登志子は呆然とそこに立っていた。永田に言葉をかけられることが恐ろしくてたまらなかった。なるべく彼と面を合わせないように合わせないようにと注意しながら立っていた。田島にだけは何かいいたいことがあるように思われていらいらした。いくども二人は顔見合わせた。そのたびにお互いに何かいいたげな顔をしては黙っていた。登志子はいよいよたまらなくなってしまった。こみ上げてくる涙を呑み込み呑み込み洋傘の柄をしっかり握って、どうかして自分ひとりきりになりたいと願った。そんなことの出来ようはずがないのが分っていながらも。――

暇取るとみて田島は、そのうちに宅に来てくれといって帰ってしまった。いよいよそこには安子と永田と登志子になった。