Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わがまま
わがまま
伊藤 野枝
Lesen Sie わがまま von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.570 Zeichen · 18 Bildschirme
彼女は永田の声を聞くことが体が震えるほど嫌だった。なるべく彼と口きかないように口きかないようにと避けて見たけれど、とうとう機会が来てしまった。せめて安子とでも何かいっていたいのだけれど、安子との話にきっと永田も仲間入りするだろうと思うとまたいやになってきて、どうしても口が開かない。三人ともだまってそこに立っていた。登志子にはその沈黙が苦しく気味悪くてたまらない。その沈黙の破れるときが恐ろしくてたまらない。けれどそれをどうすることも出来ないのだ。はやくまき子でも来てくれればいいと思ってはそこらを見まわした。まき子はそこらに見えなかった。
「ずいぶんお疲れになったでしょう」
登志子はハッとした。しかしすぐ後から気軽な安子の返事が聞こえたので、自分ではなかったと思うとホッとした。
ちょうどそのとき叔父が手荷物の始末をすましてそこに来た。後からまき子も来た。登志子は息がつけると思った。しかしどうしても後かれはやかれあの男と口をきかなければならないと思うと、なんだか体のアガキがとれないような気がした。その上に、もう十日か二十日もしたら、どうしてもあの男の家に行って、あの男と一緒に生活しなければならない――登志子にはそんな不快なことがどうしても出来そうになかった。