Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまま
わがまま
伊藤 野枝
Lesen Sie わがまま von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.570 Zeichen · 18 Bildschirme
「なぜ帰って来たろう」
彼の女はつづけざまにそればかりを心で繰り返した。
登志子やまき子が帰っていく所は停車場から三里余りもあった。途中でも彼女は、身悶えしたいほど不快な遣り場のないおびえたような気持ちに悩まされ続けた。自分のその心持を覚られたくはなかったけれども、まき子がそわそわ嬉しそうな様子をしながら浮っ調子で話しているのを見ると、まるきり知らないではないのにもう少し自分の今の気持に同情があってもよさそうなものだ、注意してくれてもよさそうなものだという愚痴な、不平な心も起こして見たりした。
まき子の家に皆荷物をおろして、ちょっと立寄ったまま、登志子は松原つづきの町の家の方へ歩いていった。安子はまき子の家に泊ることになったので登志子と永田とが一緒に帰るのだ。挨拶をしてまき子の家の門口を出るや否や登志子は、後もふりむかずに出来るだけ大いそぎに袴の裾を蹴って歩いた。彼女は永田が彼女の態度に不快を感じているということは充分に承知していた。しかし身震いの出るほどいやなもの声を聞くのもいやだった。肩をならべて歩くことなんかとても出来ない。登志子はひたいそぎにいそいだ。