Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまま
わがまま
伊藤 野枝
Lesen Sie わがまま von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.570 Zeichen · 18 Bildschirme
と叔母は取ってつけたようなお世辞笑いをしながら、永田を慰めるような詫びるような心持でいった。永田も仕方なしの笑いを報いて、だまってそこらを見まわした。
慧眼な祖母は、去年の夏気に入らない婚約をされて以来ことさらにはげしくなった登志子のわがままが心配でたまらなかった。そして、今日登志子がどんな気持ちで帰ってきたかもよく知っていた。だから彼女が家に入ってきたときの様子からいろいろな点で、彼女が嫌いぬいている永田にあくまでわがままを通さないではおかないというあの気性で、どんな態度に出たかということは見ないでも察しがついていた。叔母は、このおとなしい青年を前にしていると何よりもまず自分の大嫌いな理屈っぽい生意気な姪のわがままが憎らしくなった。
「どうしてあんなですかねえ、ああわがままがはげしくては、とても家なんかもてるもんじゃありませんよ、一緒にいるようになったらどしどししかりつけてやらなければいけませんよ、本当に」
登志子は床をとってもらうといきなり横になってすっぽりと蒲団を被った。もうひとりだと思うと、涙が溢れるように流れた、何の感情もない、ただ涙が出る、虚心でいて涙が出る、――ゆるんだ疲れ切った空虚な心は、いつか自から流す涙を見つめながら深い眠りに落ちていった。