Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
」
心配しな、心配しなと、矢張り他吉は鎧の方に廻るのだった。
丁度その日は君枝の公休日だった。
よりによってそんな日にぶらぶらしていることが、君枝はなにか済まぬ気がして、枕太鼓や獅子舞いの音がきこえても、お渡御(わたり)を見る気もせず、夜他吉が帰ってから食べられるように、冷やしそうめんをこしらえて、井戸水の中に浸けたあと、生国魂神社へお詣りすると、足は自然下寺町の坂を降りて、千日前の電気写真館の方へ向いた。
もとあった変装写真や歌舞伎役者の写真がすっかり姿を消して、出征の記念写真が目立って多くなっているなかに、どうした奇蹟であろうか、二十年前のマラソン競争の記念写真が、色あせたまま、三枚一円八十銭の見本だと、値だけ高くなって陳列されているのを見ると、気が遠くなるほどなつかしかった。
――大阪の夏はお前マニラの冬やと祖父が言ったところを見ると、マニラは余程暑いところであろう。そういうところで死んだ父親にふさわしく、ランニングシャツ一枚の裸かでニコニコ笑いながら、優勝旗を持って立っている父親の黄色く色あせた顔を、まるで陳列ガラスを舐めんばかりにして、みつめていると、不意に、