Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
案外遠慮深いんだなあ、お君ちゃんは……」
と、言った。
「そんでも、なんや厚かましゅうて……」
「そんなら僕がそう言って、貰ってあげましょうか。ちょっと待って下さい。どこイも行かんと……。行ってしもたら、駄目ですよ」
次郎はそう言うと、二段ずつ階段を上って行った。
君枝は暑さを忘れた。
暫らくすると、半ズボンの写真館の男といっしょに、降りて来た。
「これです」
次郎が陳列窓の写真を太短い手で指すと、
「これでっか。こら、あんた、骨董物でっせ」
写真館の男は言ったが、
「――しかし、まあ、そんな事情でしたら、譲りまひょ」
と、陳列ガラスを外して、その写真をとってくれた。
そんな次郎の親切が君枝は思いがけず、嬉しくて、子供の頃親なし子だといって虐められた時、かばって呉れたのは次郎ぼんひとりだったと想いだすと、君枝はその電気写真の筋向いにある喫茶店へはいって、冷たいものでも飲もうとすすめられたのを、もう断り切れなんだ。
珈琲をのみながら、他吉の話が出た。
「いまだに俥ひいてますねん。今日は生国魂さんのお渡御(わたり)や言うて……」
「……鎧着て出たはるんですか」
次郎はちょっと驚いた顔だったが、