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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

次郎は珈琲を何杯もおかわりし、ストローを使わずに、がぶがぶと一息にのみほし、氷のかたまりも瞬く間に咽へ入れてしまった。

そんな逞ましい飲み振りを見ていると、君枝はふと次郎がかつて日の丸湯の男湯で、ひとりあばれまわって、番台からよく叱られていたことなどを想いだしたので、そのことを言うと、

「そうそう、僕は日の丸湯の中で、〆さんが五十読む間、潜ってたことがあるよ。いつだったか、〆さんがあんまりゆっくり数を読むので、もうちょっとで眼をまわしかけて〆さんの足にしがみついたら、〆さんがびっくりして飛び上ったもんやから、そいで僕も頭を出したけど、〆さんが飛び上らなんだら、僕もうあの時におだぶつやった」

次郎は存外話し上手で、

「――しかし、考えてみたら、あの時分から僕は潜るのが好きやったんやなあ」

だから、東京の品川にある写真機店へ奉公に行って三年、ひと通り現像の仕事を覚えた頃には、もうそこを飛びだして、現像を頼みに店へよく来ていた木下という写真道楽の潜水夫の世話で、房州布良の吉田親分のところへ弟子入りして、潜水夫の修業をはじめた。

普通潜水の修業は、喞筒(ポンプ)押し一年、空気管持ち一年、綱持ち一年で、相潜(もぐ)りとなるまでには凡そ四年掛るのだが、それを天分があったのか、それとも熱心の賜でか、弟子入りして二年目に