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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

秋めいて来て、やがて風が肌寒くなると、もう関東煮屋にもって来いの季節で、ビールに代って酒もよく出た。酒屋の払いもきちんきちんと現金で渡し、酩酒の本鋪から看板を寄贈してやろうというくらいで、蝶子の三味線もこんどばかりは空しく押入れにしまったままだった。

柳吉もこんどは半分以上自分の金を出したというせいばかりでもなかったろうが、身の入れ方は申し分なかった。

公休日というものも設けず、毎日せっせと精出したから、無駄費いもないままに、勢い残る一方であった。柳吉は毎日郵便局へ行った。

身体のえらい商売だから、柳吉は疲れると酒で元気をつけた。酒をのむと気が大きくなり、ふらふらと大金を使ってしまう柳吉の性分を蝶子は知っていたので、ヒヤヒヤしたが、売り物の酒とあってみれば、柳吉も加減して飲んだ。が、そういう飲み方もしかし、蝶子にはまた一つの心配で、いずれはどちらへ転んでも心配は尽きなかった。大酒を飲めば莫迦に陽気になるが、チビチビやる時は元来吃りのせいで無口の上に一層無口になり、客のない時など椅子に腰かけてぽかんと何か考えごとしているらしい容子を見ると、梅田の実家のことを考えてるのとちがうやろか、そう思って、矢張り蝶子は気が気でなかった。