Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
と、理髪店朝日軒で客がききつけて、大笑いだった。
2
理髪店朝日軒では、先年葬礼の道供養に友恵堂の最中を二百袋も配って、随分近所の評判になった。
袋には朝日軒と書かれてあり、普通何の某家と書くところを、わざとそうしたのは無論宣伝のためであったろう。
死んだのはそこの当主で、あと総領の敬吉が家業を継ぐわけだが、未だ若かった、先代は理髪養成学校の創立委員で、嘱託されて教師にもなり、だから死なれて見ると、二代目の敬吉の若さは随分目立つ。おまけに高慢たれで、腕はともかく客あしらいはわるいと、母親のおたかにも心細くわかり、道供養に金を掛ける気持も出たのだろうが、ひとつには、娘の義枝のこともあったのではなかろうか。
どういうわけか、縁遠いのだ。二十六でまだ片づかぬのはおかしいと、近所の評判がきびしくて、父親も息を引きとる時まで、これを気にしていたくらいだ。
なお、義枝の下に定枝がいて、二十三といえば、義枝の歳に直ぐだった。しかも、そういう縁遠い小姑が二人もいては、敬吉に嫁の来手もあるまいと二十九歳の敬吉の独身までが目立ち、商売とちがって、ここでは彼の若さも通らなかったわけだ。