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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

仲人はしかし根気よく三度足を運んだのだった。

が、三度目にはもう、

「こんな年増の小姑のいる家に、誰が嫁に来まっかいな」

と、捨科白して、ばたばたと帰ってしまった。

いわれてみると、おたかはちくちく胸が痛み、改めて敬吉の歳を数えてみると、三十だった。

三十の声をきいてから、敬吉の頬にはめきめき肉がついて、ふっくらとし、おまけに商売柄いつも剃り立ての髭あとがなまなまと青かった。

そんな顔を敬吉は店の間からはいって来てぬっと見せると、

「いまのお客さん何しイに来はったんやねん?」

わりに若い声で訊いた。

「何もしイに来やはれへんぜ」

おたかはとぼけて見せ、

「――店放っといてええのんか」

叱りつけるように言うと、敬吉はこそこそ店へ引きかえした。

そして、見習小僧に代って、客の顔を剃りながら、かねがね理由(わけ)もなしに母親に頭の上らぬ自分の顔を、しょんぼり鏡に覗いていると、何となく気が滅入ったが、ふと、

「良え薬でもくれるのんか。なんし、わての痔イは物言うても痛む奴ちゃさかい」

という羅宇しかえ屋のお内儀の声がきこえ、

「あれくらい大けな声出したら、なるほど痛みもするわいな」