Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
「誰も遊んでくれへんのんか」
それにも返辞せず、腋の下へ手を入れたまま、他吉をにらみつけて、鉛のように黙っていた。
「そんなとこへ手エ入れるもんやあれへん」
すると、手を出して爪を噛むのだ。
「汚(ばばち)いことしたらいかん。阿呆!」
呶鳴りつけると、下駄を脱いで、それを地面へぶっつけ、そして、泪ひとつこぼさず、白眼をむいてじっと他吉の顔をにらみつけているのだ。
他吉はがっかりして子供のお前に言っても判るまいがと、はじめて小言をいい、
「お前はよそ様(さん)の子供衆(し)と違(ちご)て、両親(ふたおや)が無いのやさかい、余計……」
……行儀よくし、きき分けの良い子にならねばならぬ、家で待っているのは淋しいだろうが、そうお祖父(じ)やんの傍にばかし食っついていては万一お祖父やんが死んだ時は一体どうする、ひとり居ても淋しがらぬ強い子供にならねばいけない、あとひとり客を乗せたら、すぐ帰る故、「先に帰って待って……」いようとは、しかし、君枝はどうなだめても、せなんだ。
他吉は半分泣いて、
「そんなら、お祖父やんのうしろへ随いて来るか。辛度(しんど)ても構(かめ)へんか。