Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
「違うねん」
君枝はぼそんと言い、実は病気で休んでいる近所の古着屋の娘の賞品を、ことづかって来たのだった。
古着屋の娘は一学期出たきりで、ずっと学校を休んで薄暗い奥の部屋でねているのだが、父親が町内の有力者で、学務委員もしていた。
その夜、他吉はきびしく君枝を叱りつけた。
「ほんまに情けない奴ちゃな。どない言うてええやろ。げんくその悪い。自分が優等にもならんと、よその子の褒美うれしそうに預って来る阿呆が、どこの世界にある? 阿呆んだら! ちっとは恥かしいいうことを知らんかい。来年からきっと優等になるんやぜ。えッ? 優等になるなあ。なれへんか。どっちや。返辞せんか」
「わて優等みたいなもんようならん。それよか空気草履買うてんか。よそのお子皆空気草履はいたアる」
「阿呆んだら。何ちゅう情けない子や、お前は。こっちイ来い。灸(やいと)すえたるさかい」
掴まえて無理矢理裸かにし、線香に火をつけていると、君枝はわっと泣きだした。
「堪忍や。堪忍や」
その声に、〆団治がのそっとはいって来て、
「他あやん、お前なに泣かしてるねん?」
「灸すえたろと思たら、お前、泣きだしよったんや」