Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
「……年甲斐もなく、仲人を頼まれたわけだが、他あやんどないやね。君ちゃんの境遇を憐れんで、あんたと苦労してみたいと言うところが良いじゃないか。もっとも、あんたはどっか苦味走ったところがあるからね、奴さん相当眼が高いよ」
玉堂が言うと、他吉はぷっとふくれた。
「年甲斐もないちゅうのは、こっちのことや。阿呆なことを言いだして、年寄りを嬲りなはんな。わいはお前、もう五十四やぜ」
「ところが、先方だって五十一、そう恥かしがることはないと思うがな」
玉堂はそう言って、明日また来るから、それまで考えて置いてくれと、帰って行った。婆さんの名はオトラと言った。
他吉はぽかんとしてしまった。腹が立つというより、照れくさかった。からかわれた想いもあり、どんな顔の婆さんかと、想いだしてみる気もしなかった。
「此間(こないだ)のおばちゃん、うちへ来やはるのん?」
炬燵の火を見てやるために、蒲団のうしろから顔を突っこんでいると、君枝がぼそんと言った。
「早熟(ませ)たこと言わんと、はよ寝エ」
君枝のちいさな足を、炬燵の上へのせてやっていると、他吉はふと、ほんとうにあの婆さんが君枝いとしさに来てくれるのであれば、なんぼうこの子が倖せか、と思った。