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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

三年前のことである。

が、種吉ははじめから蝶子をそうさせる積りはさらになく、じつは蝶子が自分から進んで成りたいといった時、おどろいて反対したくらい故、他吉がオトラに言った言葉は、一そう種吉の耳に痛かったのだ。

種吉は他吉の家の戸をあけるなり、もう大声で、

「他あやん、さっきから黙ってきいてたら、お前えらい良え気なことを言うてたな」

「藪から棒に何言うてんねん? 羅宇しかえ屋のおばはんみたいな声だして……」

「お前うちのことあてこすってたやろが……」

「どない言うねん? いったい……訳わかれへんがな。――まあ、あがりイな」

「ここで良え!」

突っ立ったまま、

「――胸に手エあてて、とっくり考えてみイ」

精一杯の見幕をだしたつもりだったが、もともと種吉は気の弱い男で、おろおろと声がふるえて、半泣きの顔をしていた。

「さあ、なんぞ言うたかな」

「芸者がどないか、こないか言うたやろ。他あやん、お前わいになんぞ恨みあんのんか。えッ? お前に腐った天婦羅売ったか」

「ああ、そのことかいな。そう言うた」

他吉は思い当って、

「――それがどないしてん?」

「芸者がなにが悪いねん?――そら、他あやんとわいとは派アがちがう。