Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
しかし、なにもわいが娘を芸者にしたからというて、あない当てこすらいでもええやないか。だいいち、お前あの時どない言うた……?」
……蝶子がお披露目する時、他吉はすこしでも費用が安くつくようにと、自身買って出て無料の俥をひいてやったが、その時他吉は……、
「……わいも今まで沢山(ぎょうさん)の芸子衆を乗せたが、あんな綺麗な子を乗せたことがない、種はん、ほんまに綺麗やったぜエ――と、言うたやないか」
「そやったな」
三年前のことを想いだして微笑していると、
「それを今更あんなきついこと言うテ、どだい殺生やぜ」
種吉はもう普通の声であった。ひとに怒ったり出来ぬ男なのだ。
「きついことテ、そら種はん邪推や。わいはなにもそんな気イで言うたんとちがう。当てこすったんとちがう。悪う思いなや。お前が因業な親爺や思たら、わいかテあの時ただの俥ひくもんかいな。だいいち、お前はなにもあの娘を無理に芸子にだしたんとちがうやないか」
「そら、そう言えば、そやけど……」
「そやろ? お前がいやがる娘を無理にそうしたんやったら、そらわいの言うた言葉(こと)に気がさわらんならんやろ。しかし、お前はかえってあの娘が芸子になる言うたのを反対打ったぐらいやないか。